弊社アプローチ
窒素吹付けによる溶媒除去は、窒素ガスと加温の組合せにより過剰な溶媒を除去するプロセスです。このプロセスでは、緩徐加熱により試料に熱エネルギーを与えながら、窒素気流を試料表面にあてることで、溶媒を蒸発させます。このプロセスでは、試料の蒸気圧を下げることで、過剰な溶媒をより迅速に蒸発させることを可能にしています。この濃縮方法は、揮発性または半揮発性の有機溶媒溶液の少量の試料に対して特に有効です。窒素ブローダウンの精密性により、蒸発乾固またはある特定の時点までの蒸発をお考えの方には最良の選択肢となります。
ブローダウン式蒸発は、 LC-MS や GC-MS 分析の試料調製でよく利用されています。誘導体化または溶媒抽出後、分析前に過剰な試薬や溶媒を除去するのに実施されることが多いです。試料の濃縮を要することが多い典型的な抽出技術は、SPE、ソックスレー抽出、液液抽出です。
ブローダウン式抽出は、抽出と分析の間における溶媒交換においても利用される場合が多いです。蒸発乾固後、クロマトグラフィによる分析でより相溶性の高い異なる溶媒を特定量使用して、残渣を再溶解させることができます。
この方法は、メタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、アセトン、およびヘキサン等の有機溶媒を使用した、通常30mL未満といった少量の溶液試料の場合に理想的な方法です。大容量または沸点が140℃を超える試料の場合、減圧も加えるロータリーエバポレーターの方が好ましいです。
⇒ 弊社のツールである溶媒除去方法推奨ツールlをご利用になり、貴方の試料について最良の溶媒除去方法をどれかをチェックしてみてください。
周囲条件下で、少数の溶媒分子が試料の真上の空気中に蒸発していきます。その後、これらの分子を溶液中で再濃縮させるか、周囲空気中に分散させることができます。窒素吹付けによる溶媒除去は、窒素ガスの定常気流を試料の真上にあて、緩やかに蒸気で飽和された空気を押し出して蒸気が残りの液体に戻らないようにしながら、溶媒を蒸発させます。これにより、より多くの溶媒が蒸発することになり、試料からの溶媒蒸発を迅速化します。
溶媒分子が出ていくにつれ、残りの液体は若干冷え、残っている溶媒のエネルギーは低下し、蒸発能が軽減します。溶媒分子の蒸発速度を再び上げるには、水浴またはドライブロックにより試料を加熱してエネルギーを付与することができます。窒素ブローダウンと加熱を組み合わせることで、溶媒分子は迅速に蒸発して、試料容器にはパーフェクトに蒸発された試料が残ります。試料を溶媒の沸点より数度低い温度に加熱することで、最大限の濃縮を達成します。
平均で、窒素ブローダウンのみで2mLのメタノール試料溶液を蒸発乾燥させるのにおよそ35分要します。これに対し、窒素ブローダウンと加熱を組み合わせた場合、同量のメタノール試料溶液を安全に濃縮させるのにかかる時間は、たった8分です。
⇒ 試料の量と使用溶媒に基づく試料蒸発にかかる時間については蒸発に要する時間をご参照ください。
窒素吹付けによる溶媒除去を、専用の機器を使用せずに溶液の入ったバイアルを手で窒素気流にかざして行う事もできます。この手法は試料数が少ない場合に有効ですが、定期的に実施する場合、窒素吹付けによる溶媒除去を行う機器の方が、この工程の効率化を図れます。Organomationのブローダウン式エバポレーター では、窒素ブローダウンと緩徐加熱を組み合わせることで、複数の試料の濃縮を一度に効率的に実施できます。
⇒ 試料濃縮器が貴方のラボに有益であるかの判断ををご参照ください。
弊社は様々なラボにブローダウン式エバポレーターと抽出器を提供して、試料調製のニーズを満たしています。今すぐ弊社にお問合せ下さい。弊社のエキスパートがお手伝いさせて頂きます。
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