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試料濃縮の最適化

試料の乾燥に窒素が理想的である理由

ブローダウン式溶媒除去は、分析ラボで試験試料を溶媒除去または濃縮するのに一般的に利用される試料調製の工程です。乾燥ガスを上部から持続的に試料の表面に吹付け、場合によっては加熱もしながら、過剰な溶媒の留去のスピードを上げ、GC-MSやHPLCのような分析手法の前に試料をさらに濃縮します。溶媒除去速度が最も早く、分析に対するリスクがほとんどない安全な乾燥媒体であることが実証されているので、窒素ガスはブローダウン式溶媒除去で最も一般的に使用されています。

Blowdown evaporation-2

乾燥窒素は不活性ガス、つまり化学的に不活性であると考えられています。試験試料中の化合物と反応しうる酸素や水蒸気を含む圧縮空気とは異なり、乾燥窒素は決して試料を劣化させることはありません。

高純度の窒素は、乾燥プロセスの間に起こりうる酸化を遅らせたり防ぐことが出来ます。試験試料中に含まれる溶媒と溶質によっては、酸素への比較的少量の曝露で化学反応が起こる事もあり得ます。かなりの量の酸素を含む圧縮空気で試料を乾燥させることは、酸化プロセスの速度を高めるのみならず、最終的な分析の信頼性を低くする可能性もあるのです。  

試料を安全に保つ以上にさらに重要な事は、溶媒除去のプロセス全体において、ラボの技師の安全性を保つことです。窒素は非反応性の気体なので、非可燃性であり、化学燃焼のリスクを高めることはありません。このことは、二硫化炭素やジエチルエーテルといった可燃性または反応性溶媒を取扱う場合に特に重要となります。窒素ガスは最も信頼性の高い乾燥媒体であるのみならず。最も溶媒除去速度が速いことも実証されています。研究では、溶媒除去速度は試料のおかれた大気中の湿度に依存することが示されています。湿度を低下させる工程を増やすほど、濃縮速度は速くなるのです。これらの同一研究は、湿度を低下させるのに最も効率的な方法は、大気を窒素で排除(パージ)する、別名窒素ブローダウン式溶媒除去を行うことであることを示しました。 

濃縮速度が速いと、試料が大気中に置かれる時間を最低限になるので、試料の汚染や劣化リスクを減らすことになります。窒素ガスをブローダウン式溶媒除去で使用することで、ラボは最も安心できる試料を最少の時間で得ることになります。つまりウィンーウィンの結果になるのです。

もう1つのウィンは、窒素ガスが、ヘリウムやアルゴン等の他の不活性ガスに比べ、価格的に断然購入しやすい代替気体であることです。このことは、高純度窒素を貴方のラボに絶え間なく供給できる、窒素生成器を利用すると、さらに効果的になります。最小限のメンテナンスで実質的な廃棄物もなく、エコフレンドリーな窒素生成溶液を利用することを知って、気分も良くなります。